「今頃、リアーナとロイド様は何の話をしているのかしら・・・」
そんなことを考えていると、窓からコンッと音がした。
ここは二階、誰かが何かを投げたのだろうか。
「え?」
私が窓に近づくと、ロイド殿下が軽く手を振っている。
リアーナとの談笑後、わざわざ私の部屋の前まで寄ったのだろう。
そして、私の足元を指さした。
目線を足元に向けると、小さな箱が落ちていた。
先程のコンッという音は、この箱が窓に当たった音だろう。
「ティアナ嬢、君は私が嫌いなのか?」
ロイド様が私を見上げながら、そう問うた。
いくらロイド様に近づかないと決意しても、嫌いと問われれば嫌いなはずがなかった。
「それは・・・」
上手く答えられない私にロイド様は微笑んだ。