週末、まだ私達は幼いので付き人をつけて貰い、リアーナと街へ向かった。

リアーナとカフェで紅茶とケーキを頼んで、穏やかな時間を過ごしていた。

「おい、無能の聖女だぞ」

そんな小さな声が、カフェの客から聞こえた。

リアーナが俯き、顔を隠す。

私はリアーナの手を握り、話しかけた。

「リアーナ、私はどんなリアーナでも大好きよ。顔を上げて」

私はそう述べて、リアーナの陰口を言った客を軽く睨んだ。

「私の妹の悪口を言うということは我がフィオール家を敵に回すをいうことですわ。それが分かってらして?」

リアーナの陰口を言った客は、怯えた様子ですぐにカフェを出て行った。