ロイド様は私の手を取り、もう一度自分の頬に触れさせる。


「私がこれからも微笑みを向けたいのは、愛を伝え続けたいのは、ティアナ・・・君一人だ」


そう仰って、ロイド様は私に優しく微笑みかけた。


「8歳のあの日、私は君に興味を持った。それからずっと、君の目に映り続けたくて必死だった。君を愛していたんだ」

「君が何度人生をやり直そうと変わらない。私は、ティアナを愛している」


ロイド様が私にそっと顔を近づけ、優しく口付けをした。


「ねぇ、ティアナ。一回じゃ足りない。ずっと、待っていたんだよ」


ロイド様はそう仰ると、もう一度口付けをする。


「愛しているよ、ティアナ。何度でも伝えよう。君の不安がなくなるまで」


「ロイド様・・・私も、愛していますわ。ずっとずっと前から」


外は、小雨が降っている。

しかし、きっともうすぐ晴れるだろう。

そして、美しい虹がかかるのだ。

ロイド様、貴方とずっと同じ景色を見ていたい。

これが最後の人生。

やり直しなど、もう効かない。

しかし、それでいいの。


「もう戻れないと思うから、人は頑張れるし美しいんでしょう?」


お母様の言葉が頭をよぎる。

例え、能力が残っていたとしても、私はもう使わない。

必死に頑張って、幸せを掴み取るの。


ロイド様と共に。


さぁ、これからも輝かしい人生を共に歩みましょう?