「この先生はね、川村先生の
同期の奥さんの旦那さんでね
バイオリンの教師でもあり
オーケストラの指揮者でもある
もし理緒がやる気があるなら
バイオリン教室に通ってみないかと
川村先生が、こちらの先生に
話をつけたそうだ」

「ありがたいお話しなのですが
バイオリンは、おいくらでしょう…?」

母親が月謝を出さないことは
目に見えていた。

ましてや バイオリンも
絶対に購入してくれないだろう。

「川村先生のご友人で、
お子さんがバイオリンを
やっていた方がいてね
もうすっかり 引退しており
バイオリンら 譲るそうだよ
月謝は川村先生が
しばらくは、お支払いするそうだ
ヒザの奇形をそのままにさせ
練習させたお詫びだそうだ」

そこまで言ってくれた
川村先生に理緒は感謝しかなかった。

理緒は、川村先生の顔に
泥を塗らないためにも
バイオリン教室に通おうと思った。

理緒は第2のステージが
始まる予感がした。