放課後、君のとなりで

「ねえ、相馬君。あなたは一体いつまであの場所に縛られるの?」


いたたまれなくなった私は、気付けば思っていた事を小声で呟いていた。


同時に、彼の手を強く握りしめる。


「こんな所で眠っていないで、早く目を覚まして瀬川さんに伝えればいいじゃない」



徐々に震え出す声と体。


何を言っても今の彼には何も届かないのは分かっているのに、溢れ出す想いが止まらない。



幾ら探しても、ストラップはどこにもなかった。


こんな事をしても、ただ時間が無駄に過ぎていくだけなのに。


その分、周りの人達に深い悲しみを残していくだけなのに。


なんで、彼はまだ拘るのだろう。



それだけ、瀬川さんの事が好きだから?



なかなか目覚めないのは、彼の意思だというの?




「ストラップなんてもう見つからないよ」


彼に正面から言えない言葉が思わず漏れ出す。



別に、面倒くさくなった訳ではない。


ただ、これ以上一緒に探す事に耐えられなくなり始める自分がいた。


こんな事よりも、もっと大切な事があるのに。


もう、人のことなんて構っていないで、そろそろ自分の体の事を真剣に考えて欲しい。


今日の相馬君の家族の様子を見て、そんな気持ちが改めて浮き彫りになってくる。



「……お願いだから、もうやめて」


そして、心の奥底に眠っていた本心を、私はつい口にしてしまった。