「……どうしても伝えたいことって、告白のこと?」


とりあえず、思い浮かぶとしたらそれくらいしか見当たらず、私は首を傾げながら尋ねてみる。


「そうだけど、君の考えているようなことじゃない。……ごめんね。今は言えないけど、ストラップが見つかったらちゃんと話すから」


そう答えると、彼は再び穏やかな表情に戻り、にっこりと私に微笑んだ。



「何それ……」


そんな彼の態度が腑に落ちない私は、とても不服そうな顔で口を尖らせる。


けど、まるで答える気ゼロの様子に、これ以上聞いても無駄だと悟り、渋々引き下がることにした。




相馬君がそこまで瀬川さんに伝えたいこと。


私の考えている事が違うというのなら、“好き”という言葉ではないのだろう。


だとしたら、そこまで話したい事って何?


しかも、霊体になる程の強い気持ちなんて、好きっていう以外他にあるの?


それもこれも、鍵となるのがその相馬君が無くしたハピネスベアーにあるというのだろうか。


となると、これは私が思ってるようなただのプレゼントではないのかもしれない……。




浮かび上がる数々の不可解な点。


まるで推理小説の探偵になったような気持ちになり、思考回路がフル回転し始める。


もはやここまでくると、理由はともあれ、これは何としてでもストラップを見つけ出してやろうという変な使命感が燃え上がってきて、私は密かに拳を握りしめたのだった。