先程までは全然平気な顔をしていたのに、今の相馬君はちょっとでも触れると崩れてしまいそうなくらい、弱々しさを感じる。
そんな彼の表情を見るのが辛くて、私はつい視線を逸らしてしまった。
相馬君もこれ以上話す気はないのか、ずっと思い詰めたように口を閉ざしたまま、暫く私達の間に重たい空気が流れる。
「相馬君はそんなに瀬川さんの事が好きなの?」
そんな空気に耐えられず、本当はあまり聞きたくはなかったけど、段々とやけになってきた私は、若干不貞腐れ気味になりながら相馬君に尋ねた。
私の質問に相馬君は一瞬驚いた目をこちらに向けてきたけど、直ぐに真顔に切り替わり、視線を前へと戻す。
「うーん、そうだなあ。好きっていうより大切って感じかな?」
それから暫く考え込んだ後、どこか思いを馳せるような、愛おしそうな目でそう告げてきた相馬君の言葉は、私の胸に大きな爪痕を残した。
この二人がどれぐらい長い付き合いなのかは分からない。
けど、相馬君の表情を見る限り、きっと私なんかが踏み込めるような隙間なんてないのだと思う。
分かってはいたけど、好きよりも大切ってことは、それくらいに相馬君にとって瀬川さんは大きな存在だということが、これではっきりとした。
だから、私のこの気持ちなんて、本当に無意味であって、彼にとってはただの迷惑なのかもしれない。
でも、相馬君が瀬川さんを大切に想うみたいに、私だって相馬君の事が大切だと想ってる。
…………それなのに。
そんな彼の表情を見るのが辛くて、私はつい視線を逸らしてしまった。
相馬君もこれ以上話す気はないのか、ずっと思い詰めたように口を閉ざしたまま、暫く私達の間に重たい空気が流れる。
「相馬君はそんなに瀬川さんの事が好きなの?」
そんな空気に耐えられず、本当はあまり聞きたくはなかったけど、段々とやけになってきた私は、若干不貞腐れ気味になりながら相馬君に尋ねた。
私の質問に相馬君は一瞬驚いた目をこちらに向けてきたけど、直ぐに真顔に切り替わり、視線を前へと戻す。
「うーん、そうだなあ。好きっていうより大切って感じかな?」
それから暫く考え込んだ後、どこか思いを馳せるような、愛おしそうな目でそう告げてきた相馬君の言葉は、私の胸に大きな爪痕を残した。
この二人がどれぐらい長い付き合いなのかは分からない。
けど、相馬君の表情を見る限り、きっと私なんかが踏み込めるような隙間なんてないのだと思う。
分かってはいたけど、好きよりも大切ってことは、それくらいに相馬君にとって瀬川さんは大きな存在だということが、これではっきりとした。
だから、私のこの気持ちなんて、本当に無意味であって、彼にとってはただの迷惑なのかもしれない。
でも、相馬君が瀬川さんを大切に想うみたいに、私だって相馬君の事が大切だと想ってる。
…………それなのに。


