噂の〝クズ〟に溺れて。



「あー、やっと紹介できる。
俺の〝彼女〟、相川羽衣ちゃん」



私を後ろに引っ張って、
〝彼女〟と言ったのは聞き覚えのある声。



違うクラスなのに勝手に入って来てて。



まさに、正真正銘の..............................



「...........................〝クズ〟だ、」



と、心の中で言おうと思った声は漏れてて。



「ふっ、羽衣に言われるなら本望だね」



〝クズ〟のその声が届いたとき。



近くにはすでに顔があって、
避けようと思えば避けれた。



だけど.................................



「............んっ、」



それを、目を瞑って受け入れたのは私。



みんなの前でキスする〝クズ〟は。



元々、〝クズ〟で有名で。



付き合ってない女の子たちと、
平気な顔してキスする、正真正銘の〝クズ〟



そんな........................



噂の〝クズ〟に、
──────溺れたのは私の方だ。





fin.