郊外学習という名の、遠足のようなもの。


といっても現地まではバス移動だし、カレー作りとレクリエーションであるスタンプラリー。

学習することは……たぶん、協調性とか。



「あ、荒井さん…、あの…」


「私はこっちでカレーを作りますので、朝比奈さんはお米を炊いてきてください」


「…は、はい」



テキパキ。

学級委員長である荒井さんを表す言葉は、まさにこれ。


一緒に作業しませんか───と、本当は言おうとしていた。


5、6人ずつに振り分けられた班メンバーは、自由に決められたものではなく。

普段の席の組み合わせで自然と構成されていたもの。


女の子は荒井さんと私、残る男子が結多くん含めた3人。



「で、でも荒井さん、男の子たちにご飯のほうをさせてもいいんじゃないのかな…」



飯盒(はんごう)を使って、少し離れた釜戸にて炊くお米。

ざっと説明を受けた感じ、そこまで難しそうでもなくて。