心優しい国王は王妃を堂々と愛したい

「国王陛下、王妃陛下、ただいま戻りました。」
アスラウグで療養生活を送っていたヴァールは
すっかり元気を取り戻して、
ビフレスト王国へと帰って来た。
以前よりも輝きを増している気がするのは
フレイアの気のせいだろうか。

「おかえり、ヴァール。あなたが健康を取り戻してくれて私も嬉しい。」
「恐れ入ります、国王陛下。両陛下にはご心配をおかけしました。」
ヴァールがフレイアに頭を下げるなんて初めてのことだ。
フレイアを見る目にも、かつての敵意は感じられない。
「陛下。ご提案くださっていた件ですが、進めていただけたらと思います。」
「そうか、決心したか。アスラウグ国王も大喜びしていることだろう。」
オーディンの言葉にヴァールが頬を染める。
話について行けていないフレイアに
オーディンが種明かしをしてくれた。
「ヴァールはね、私との婚姻関係を解消してヴィーザル殿の妻になるんだよ。つまりアスラウグ王妃になるというわけだ。」
「父を説得するのに時間がかかりましたが、私の人生は私のものだって言ってやりましたわ。」
そう言って、ヴァールは声をあげて笑った。