心優しい国王は王妃を堂々と愛したい

「ヴァール殿とオーディン殿は仲睦まじいのだろうか?」
切羽詰まったように質問されたが、
フレイアは答えに窮してしまった。
正直に言うと2人の仲がどうなのか知らなかったし、
フレイアはオーディンのことを愛しているので
自分以外の女性との関係など知りたくもなかった。

ただフレイアが知る限りでは
2人の間に親密な交流は無さそうだった。
オーディンは側妃という地位自体を
不要だと考えていて、
廃止したいと言っていた。
ただヴァール自身のことをどう思っているかは別の話で、
フレイアが推測で言うことではない。
「お二人のことについては、陛下に直接お伺いしたほうが宜しいと思いますわ。今日は陛下と晩餐のご予定でしょう?」
実はフレイアは妊娠初期で、
夜は悪阻の症状が重くなるので
晩餐などの行事は欠席している。
「フレイアが欠席なのは仕方ないが、代わりにヴァール殿が出席していただいても私は嬉しいが。」
半分冗談半分本気といった調子で
ヴィーザルが呟く。
フレイアも思わず苦笑した。

「というのは冗談で、ヴァール殿はまだ回復されないのだろうか?」
ヴィーザルが深刻になるのも無理はない。
懸命な治療の甲斐あって、
生死に関わる状況からは脱しているものの、
ひどい倦怠感でベッドから起き上がれない日も多く、
目眩や吐き気といった症状にも苦しんでいるらしい。
オーディンもフレイアも、とても心配だった。