偉い人コワイと言うサーシャは、俺様王様レオナルドとお食事キッスキスする仲だ。今更食事の誘いでビビり散らかすサーシャは、団長の目に道化でしかなかった。


壁際まで引いていったサーシャは、人を見て笑い続ける失礼な団長に向かって行った。


「私、マナーとか礼儀とか全くないんですよ?!」

「何の自慢だ?!ただの村娘が、あの王様と!ガッハハハハ!」


酒のせいでまだ笑い転げる団長の前で、ルテが怯えるサーシャを励ましてくれる。ルテお姉様はいつも優しい。


「大丈夫よ、サーシャ。王様は心の広い方だから。いつも通りのサーシャでいいわ」

「本当ですか?失礼をしたらまた追放死刑になるんじゃ……」

「それだけは絶対ならないわ」


ルテの自信満々な態度に、サーシャは少し胸を撫でおろした。サーシャにとって追放死刑はトラウマ級の恐ろしい出来事だった。再来は断固として避けたい。


しかも食事。


なんやかんやとまだ団長たちに誤魔化しているが、これは失礼しかできない自信がある。


「サーシャ、王様は見た目が『かなり個性的』だからそれだけは気を引き締めておいてね」