ルテの指摘にサーシャの胸が今度はドッキーンと図星鳴きである。忙しい胸だ。


「だ、大丈夫ですルテさん。それは心得てます。私はただの色男語りが好きな平凡村娘です」


サーシャが手を前に出して、胸は鳴くが理性があると主張する。色男をほめそやすのが趣味的に好きなものは多いはずだ。嫉妬などしていない。サーシャは現実を見ないふりで徹底する。


「レオさんがいくら甘々対応でも勘違いしません。しかし余裕でドキドキするのが人間ってものです」

「正直ね」


レオナルドにドキドキしない村娘はいないとサーシャは断言できる。嫉妬などしていない。サーシャがレオナルドに余裕で惹かれつつも、真っ当な理性として絆されないと気丈にしていると知って、ルテは不憫に思った。


そんな理性的に気丈にしている子にレオナルドはガンガン押しているわけだ。遊びなら他でやってとしか言えない。


「まあ、レオのあの美貌になびかないの難しいかもしれないわね」