サーシャは前方を歩いているレオナルドに視線を向けた。行軍中は皆くちばしマスクをしているので、黒ローブにくちばしマスク着用の異様な鳥人間集団である。


騎士団員たちはみな同じような黒ローブのくちばし鳥人間の格好をしているが、頭一つ飛び出したレオナルドはどこにいてもわかりやすい。

眼帯のイケオジ団長と何やら話をしながら歩いている。団長は眼帯にくちばしマスクなので絵面が非常に厳しい。イケオジであってもさすがに要注意人物に見える。


(レオさんって最強の副団長ってやつなんだ)


サーシャが知っているレオナルドは、女慣れしたキスが美味しい人だ。だが、ルテの口から語られるレオナルドは別人のように凄い人だった。


「レオさんはくちばしマスクをしてても、ぱっちり二重の青い眼力が強烈に魅力的で男前が隠しきれない」


あの容姿端麗で、戦えば強いのだという。それはさぞモテモテなのだろう。たしかに最強だ。


「サーシャ、レオの容姿語りは頭の中だけでしなさい。レオが調子に乗るわ」

「え、今、口に出てました?」

「はっきりとね」