綺麗過ぎる寝顔をジッと見つめて、ルテからの情報を反芻する。

魔力が枯渇して眠り続けていたサーシャに、レオナルドが「キスで魔力のご飯」をくれたという話だ。


(しかも私が大食い過ぎて、レオさんの魔力全部食らって卒倒させたらしい……私やることすごいな……それやったの本当に私?)


全てサーシャが寝ていた間の出来事なので、現実味がない。


魔力を喰らうなんて聞けばどこの化け物かという特異な話だ。


でも、目覚めたサーシャが騎士団員たちにパンとスープに林檎のパイまで振舞うと、団長もルテも団員達も全く化け物扱いせずに大いに褒めて感謝までしてくれた。

追い出すどころかずっとここにいてとまで言われている。やはりここはサーシャにとっては天国だ。


魔力が枯渇したレオナルドは、サーシャと違って寝ていれば自然と回復すると言う。


(魔力って……美味しかったのかな?)