恋のカウントが鳴くが、美しい人に反応するのは普通のことだ。


「レオさんが手放しに大げさに褒めてくれると、嬉しいです」

「よし!思いっきり褒めてやる!」


無防備に快活に笑ったレオナルドが勢いよく頭を撫でると、サーシャの頭は揺れに揺れてついでに視界も揺れた。


「ふおおおお、れ、レオさん振動がすごいです、あ、あれ?」


視界がグラついたサーシャは全身の力が抜けてカクンと膝を折った。


「あ?」


レオナルドがサーシャが地面に倒れ込む前に腹に腕を回して捕まえた。


「おい、サーシャ!どうした?!」


騎士団の飢餓を見事に救ったサーシャを連れて、やっと騎士団は王都へと一歩進むことができたのだった。