王様の素顔を見て、騎士団員たちが揃って大声を上げ、レオ様親衛隊も叫びをあげた。団長がガハガハ酒に酔って笑い、涙目のルテもクスクス笑って、ざわつく国民たちを眺めていた。


騎士団の副団長、最強のレオナルド。

彼こそがこの国の王だったと明かされたのだ。


「王様はいつも隣人に。意外とその通りだっただろ?」


レオナルドが明かした正体に、サーシャがクスクス笑っていると浮遊感に襲われた。


「わっ!レオさんの魔法」


サーシャは急に風にさらわれる。レオナルドはどこからでも風だけでサーシャを迎えに来る。宙に浮かばされたサーシャはレオナルドの隣に並び、レオナルドが作る風の地面に立った。


手を取り合う二人を騎士団員たちはやんやとはやし立てた。


騎士団員たちは王様とサーシャの恋は知らない。だが、副団長とお食事係のサーシャとのお熱い様子はよく知っていた。


「俺はサーシャと結婚する」

「キャーー!!レオ様ー!!」

「おめでとうございますー!!」