「毎日を最後の日と想いながら、懸命に過ごすのも、俺は意外と悪くない。久々のカルラ祭りも心から楽しくて、今までやらなかったことを後悔してるくらいだ。

人を想えるものばかりの国の王で、俺は誇らしい」


王様の言葉に、涙を流し始める国民が大勢いた。小さく小さくなってしまったこの国で、肩を寄せ合い、愛を囁いて死を受け入れる国民たちは強く優しいものばかりだ。


サーシャもルテに肩を抱かれて、流しても流しても尽きない涙を零した。涙ぐむルテの頭を団長が撫でて大らかに笑う。


終わりを前に愛で支え合う。

ここは本当に素晴らしい国だ。


「俺は死ぬまで、愛すべきお前ら国民と心穏やかに過ごしたい」