レオナルドが胡坐の上に姫抱きにしているサーシャの首筋に舌を添わせると、ビクついたサーシャはもっと頑張って美顔を押し返した。レオナルドは時間を惜しんで四六時中くっついてくる。


「いやいや!関係ありますよ?!だって今日はカルラ祭りなんですから準備しなきゃ!」


サーシャがなんとかレオナルドの腕から抜け出して、にぱっと笑顔を弾けさせる。


「なんで俺からサーシャを取ろうとしたカルラン様を祀る祭りなんてしなきゃならないんだよ」

「もう、口悪いんですから!レオさんだって張り切って準備したくせにー!実はカルラン様のこと好きなくせにー!」


レオナルドはしぶしぶ立ち上がって、にこにこ笑うサーシャの手を取った。サーシャを供物に望んだカルランの罪はレオナルドの中で消えないらしく、悪態が絶えない。


だが、人間が穢した大地の浄化作業をしてくれるカルランへの敬意は示すのが王の責務だ。

レオナルドは王様の面をかぶって祭壇の前からゆらゆらと大きい体を揺らして歩いて行った。