レオナルドの深くて愛に満ちたわがままを聞いたサーシャは、彼を胸に強く抱き締めた。彼の宝石のように綺麗で哀し気な瞳に、サーシャの細腕に収まって甘える彼に、守ってあげたい気持ちが満ちていく。


「私、どこにも行くところがありません。

もう一人ぼっちは絶対に嫌……」


サーシャはすぐそこに迫る終わりを想ってぼろぼろ涙を零した。レオナルドのさらさらな銀髪を撫でて、胸に頬を寄せる彼を愛しく慈しむ。


追放死刑にされて、それでも死ねないと思ってカルラ国に逃げてきたサーシャだ。


だけどこの国で、彼となら一緒に死んでもいいと思えるほどの愛を、サーシャはその胸に宿してしまった。


「レオさんに救われた命です。

レオさんに捧げます……!」


狂気なまでのわがままをもサーシャに受け入れられて、レオナルドの鼻の奥が痛んだ。

レオナルドはサーシャの温かい胸に甘えて、唇で、舌で、身体で、生まれたままの姿のサーシャの全てを、再び愛で始めた。


「サーシャ、死ぬときは一緒だ」

「喜んで」


サーシャはレオナルドの逞しい全てで愛されるこの瞬間、幸せでお腹いっぱいだった。