レオナルドはサーシャの優しい行動に癒されて、サーシャの頭に頬ずりした。カルランから守り抜いた彼女は何より愛しい。薄紅色に髪に頬ずりしては口づけた。


「魔法を奪うなんて、そんなこと可能なのか?」


ルテを隣に座らせた団長は先っぽが丸くなってしまった右手をレオナルドに差し向けて、疑問を口にした。レオナルドは一秒も惜しむようにサーシャの髪に口づけては、合間に団長の問いに答えた。


「大地の下に大神殿をつくって、大地を浄化する力をもつ神獣様だぞ?何ができても不思議じゃないだろ」

「そ、そりゃあ……そうか……」


レオナルドは、サーシャをカルランに捧げる供物にしなかったことに未練は少しもない。だが、サーシャの魔法が消えた。これで本当に、カルラ国は後がなくなった。


「団長、明日みんなをホールに集めておいてくれ」

「ああ、任せろ」