団長の指示でその日の食事は無しになり、王城の備蓄を食べることになった。

王城には、非常時のために国民千人が1か月食いつなげるだけの食糧が備蓄してあった。だが、そんな備蓄はあっという間になくなることがわかっている。


盾魔法が消失し、王城でしか生きることができない今、もう食料をつくるための農地がない。なのに、サーシャのご飯魔法が絶たれたら、


カルラ国は飢餓で終わりだ。



「わ、私、どうしてできないの?」


団員たちが去った食堂でサーシャは手が震えた。青白い顔をするサーシャは、何度やってもご飯魔法に失敗した。今までどうやって魔法が出現していたのかがまるでわからなくなってしまった。身体から魔法が抜け落ちた感覚がする。


「これじゃあ、みんなが……!」