カルランは何かを言いかけたが、サーシャは両手を組み合わせて祈りの態勢を取った。すると、サーシャとレオナルドの周りに、十の竜巻が出現した。


「「出た」」


レオナルドは思わず起き上がり形の良い唇をあんぐり開いた。

カルランもあまりに大きな竜巻の大群にくちばしがあんぐり開いた。


サーシャは大群の竜巻を引き連れて、カルランを睨みつける。さすがに十の竜巻を相手にするのは神獣カルランでも骨が折れそうだ。


「落ち着け、お主ちょっと話を。そんなものを暴れさせては我がつくった神殿もさすがに吹っ飛ぶ」


カルランが大きな赤い翼を前に向けると、サーシャの周りを埋める竜巻が倍に増えた。