なぜか突然穴の開いた大地の底へと二人落ちていく。落下速度が速く、これ以上落ちるのを阻止するために、レオナルドは風魔法を発動した。


大きくぱっくりと開いた闇の穴の中でサーシャはレオナルドの背中に抱きついた。サーシャを背負ったレオナルドが顔を引き締める。


「何かに招かれてる感じ?」

「ですね」


唇を引き絞って息を飲んだサーシャに、レオナルドがにっこり笑いかける。


「怖い?」

「ちょっと……でもレオさんと一緒なので大丈夫です」

「いい女。行くぞ」


何に招かれているのかわからない。罠かもしれない。だが、行くしかなかった。


この先にある何かを討伐することに成功してカルラ国を救うことを、サーシャもレオナルドも、まだまだ諦めてなんていないからだ。