鉄砲が火を噴いた後の煙を視認したレオナルドが、速度を上げて切り立った壁際上空に到着する。


巨大蜘蛛が群れを成して山壁に迫っているのが見えるだけで、団員の姿が一人も見えない。サーシャは額に冷や汗が噴き出す。


(団員を食べてたりしないよね?)

「ローブ!!」


レオナルドの声と共に、山壁に群がっていた巨大蜘蛛は念入りに八つに切り刻まれた。


割れた巨大蜘蛛の間に二人が下り立つ。刻まれた巨大蜘蛛の身体の合間合間に、団員の食い刻まれた千切れた身体がないこと願って、サーシャは周辺を見回した。


レオナルドに手を引かれて歩いて行くと、巨大蜘蛛の死骸の奥に小さな洞窟の入り口を発見する。

ここなら確かに巨大蜘蛛は入りきれない大きさだ。


「団長ー!!俺!戻った!」