サーシャを撫でる手から、サーシャを見つめる瞳の熱さから、レオナルドから固い緊張が伝わってくる。
「俺が守るから、俺の側に居ろ」
大きな体で誰よりも強いレオナルドだが、毒気元凶の洞窟を前にピリついている。サーシャは控えめに大きな手に細い手を重ねて頷く。
「はい、レオさんの側にいます。でも、私もレオさんを守りますよ?」
「ふっ、こんな細腕でどうやって守ってくれんの?」
「こうです」
サーシャは大きな甘えん坊の緊張をほぐしてあげたくなってしまって、レオナルドの頭を胸に押し付けてぎゅうと抱き締めた。
(((あぁあああ!!)))
副団長攻めからのいちゃいちゃばかり見ていた団員たちは、お互いに隣に居る団員の口を塞ぎ合って叫ぶのを我慢した。サーシャが体格の大きい副団長を甘やかしている現場に絶叫したかった。
さすがに団員からの熱視線が恥ずかしいサーシャだが、我慢して胸に抱き寄せたレオナルドの頭をなでなでする。すると胸に押し当てたレオナルドがふるふる震えた。
「抱きたい……!今ここで押し倒す!」