渋々立ち上がったレオナルドは、同じく立ち上がったサーシャの手を引き寄せた。腰を屈めて、一瞬ちゅっと唇を当てる。


「あ、美味しい」

「お食事キッス終わり。サーシャわかってると思うけど、俺以外からキスもらうなよ。俺以外からもらったら、キスした相手の首が一瞬で飛ぶから」


レオナルドがにっこり美々しく笑い、不穏な言葉を残してあっという間に団長に連れられて去って行った。サーシャの隣に残ったルテがまたギリギリ歯ぎしりし始めた。


「レオの奴……」

「どうかしたんですか?」

「あっさりキスして去って行った意味、わかる?」


サーシャもルテの怒りの意味にポンと思い当たった。


「もしかして!100人分のお食事キッスはバードキスで十分だったってことですか?!」

「あのエロ悪ガキ……」


バードキスで十分なところを、サーシャと大人キスしたいがために、今までぐちゃぐちゃ長々キスしていたことが露呈したのだった。


(でもそれは私と無意味にキスしたかったってことだから……レオさん、やっぱり可愛いところがある……)


お食事キッスを口実に、サーシャとどんどんえっちなキスがしたかったレオナルドの心境を想う。騙された!と怒るどころか、サーシャはむずむず胸キュンが溜まった。