涙声のサーシャに間髪入れずに返事がもらえて、レオナルドは心底ニヤついた。

レオナルドが腕を緩め、サーシャの潤む瞳をレオナルドが欲の湧いた瞳で見つめる。


「俺の妻、可愛すぎるから今から抱いていい?もう我慢限界なんだけど」


サーシャがレオナルドの愛熱に浮かされて頷きかけたとき、バサッと救護テントの布が開かれた。


「いいわけねぇだろ!!」

「夜営訓練中よ、馬鹿レオ」

「チッ!気をきかせろよな」

「そっちが気をきかせなさい!」


乱入してきた団長とルテに、サーシャはきょとんとなったが、レオナルドはしっかり気配を把握していたようだった。人が来ているとわかりつつ、抱いていいかまで及ぶのは止めて欲しい。だが、俺様レオ様は人目を一切気にしない。


すでに、好きな人を好きな場所で好きなだけ愛でて何が悪い?の境地に立っている。


(私が周り気をつけないといけないんだ)


サーシャはさっそくレオナルドとのお付き合いの困難さを一つ発見した。俺様の独占欲、顕示欲、愛欲はどれも制御しがたい。


「さっさと訓練に戻れ、レオ!」

「ウース。あ、サーシャ」