「サーシャ、来い」

「え」


レオナルドが不機嫌な低い声で言うと、サーシャを背に乗せたまま空に舞い上がってしまった。突然上空に登場する副団長に団員たちは嫌な予感しかなかった。


こんなのは予定にない、予定にない!と思いつつ、頭上に副団長が出現!の危険信号が団員の頭に鳴り響く。


「ローブ!!」


サーシャはレオナルドの背中に乗って安全圏だが、他の団員たちは地上1メートル以上に頭があると切り離される恐怖体験に突き落とされた。


「ぎゃああ!!」

「副団長!刃がいつもより低いです低いです!」


命からがら素早く地面に伏していく団員たちの頭の上を副団長の風鎌がビュンビュン通り過ぎて切り裂く音が鳴り響く。


「マジで頭飛ぶって!!」

「もうやめて副団長ぉお!」


本来お約束では1メートル以下には下がって来ないはずの風鎌が、地上50㎝をビュンビュン舞っている。副団長の首チョンパしちゃうぞテロ訓練に、団員たちの悲鳴が鳴り響いた。


(((これ絶対、八つ当たり!!)))