あんなに連発していた単語は、サーシャのためだけの特別使用だった。そんな純情な事実を、サーシャは急いで飲み込まなくてはいけなかった。


レオナルドと純情が全くもって結びつかない。


「だって、レオさんはモテモテで親衛隊使って女遊び激しくて誰にも本気にならないって」

「そんなのお前に会うまでの話だろ?親衛隊の予定表は撤廃して、お前に惚れてからは誰とも遊んでない。俺はお前に胸鳴らされっぱなしなんだ。

お前に出会うまでも清廉潔白じゃないと、モテ男は恋も許されないのか?」


モテ男の終わった過去まで責めるのかというモテ男の正論にサーシャはたじたじである。モテ男はもちろん口も立つからモテるのだ。


「い、いやそういうわけじゃないですけど」

「そうだろ?俺は、お前だけに惚れたんだ。お前だけが何より可愛いくて好きだと思ってるんだよ」


レオナルドが怒涛の口説き振りかざしながら、触れるほど近くにやってきてサーシャを熱い瞳で見下す。


「俺はお前を離さないって決めたから……お前を守るって言ったんだ」