ルテもそんな団長の気持ちを全部見透かしてしまっているようで、余裕の微笑みである。ルテ様かっこいい。団長が咳払いして腕を組んだ。


「あー、サーシャ。今さらだがレオからのキスが辛いと聞いて、俺も補給できるように訓練した」

「ルテさんとえっちな訓練してたんですよね、聞いてます」

「ルテ、お前何言った?!」


団長の額に一気に汗が浮かび、大きな声が飛び出した。サーシャは団長の素直な慌てようを見て、あ、この二人すっかりくっついたなと察した。補給どころではないところまで二人で行って来たようだ。何よりである。この煩悩団長め。


「団長、お食事キッスしたことしか言ってませんよ」

「ルテ……俺をからかうな」


ルテ様がふふと余裕で微笑むと、団長が額の汗を袖で拭う。すっかりルテ様に振り回されるおっさん団長が可愛くも見えるのが、ルテ様の手腕である。

団長は気を取り直して、サーシャの頭をガシガシと乱暴に撫でた。


「というわけで、まあ、俺と補給してみるか?レオほど魔力量はねぇし、味の変え方もわかんねぇけど」