サーシャは祭壇の前に両膝をついて、両手を組み合わせて祈った。すると祭壇の前にカルラスープが忽然と出現する。


「カルラン様どうぞ、たくさん召し上がってくださいね」

「食べ物を供えてもカルラン様は助けてくれない」

「な!身もふたもないことを言う王様ですね」

「カルラン様がいるなら、毒気からこの国を助けてくれっつーの」


悪態をつく王様は、信仰心は持ちつつカルラン様に期待していないように見えた。


(でも王様って実は、カルラン様のこと大好きなんじゃないかな。かっこいいって言ってるから)


王様は国の命運と助けてくれない神獣様との間で複雑かもしれない。だが、サーシャはただの村娘だ。祭りだって大好きで、神獣様がいるなら神頼りだってしたい。


「こういうのは祈ること自体が大事なんですよ!ねー、カルラン様」