サーシャは以前ルテがくちばしマスクを信仰の一種だと言っていたことを思い出した。
「くちばしマスクってまさかカルラン様の真似でした?」
「そう、カルラン様の偉大な力を借りたいっていう信仰でな。姿を真似てる」
「そういえば王様の姿にも、そっくりですね」
サーシャは王様と壁に描かれたカルラン様を見比べてふふっと面白くなってしまった。
「王はカルラン様の代わりとして、この格好でいるのが信仰の証だ。カルラン様は遊び好きで、人間に混じるのが好きなんだ」
「やっと王様の格好の謎が解けました」
「かっこいいだろ?」
マスクの向こうでケラケラ笑う王様にサーシャは無言を返した。嘘でもかっこいいとは言えなかった。
サーシャは素直が美徳の女だ。



