翌日、サーシャが勝手に取り付けられた約束を守るために畑前のベンチで待っていると、ぬっと超個性的な格好の王様が登場した。


「あ、王様、こんにちは」


サーシャは左胸をコンコンと叩くと、王様がまた頭をぐりぐり撫でる。


「待たせたか?」

「いえ全然」


レオナルドもルテも団長もサーシャの頭をよく撫でる。


「俺は予定があって今日忙しいんだ」

「え」


忙しいことがわかっていて、サーシャとの約束までぶち込んだらしい王様にサーシャは首をひねる。そこまで王様に無理してもらわなくても大丈夫だが。


「お忙しいなら、私のこと放っておいてくれて大丈夫ですよ?」

「それは嫌」

(あれ?この嫌って言い方、聞いたことあるな)