レオナルドにときめいて鳴るはずの胸だ。失恋したばかりだというのに、王様にも胸が鳴るのかと、サーシャは己の惚れっぽさにうんざりした。
(優しくしてくれるなら誰でもいいのか私!私、もう自分がわからない……)
だが、レオナルドと王様は同一人物なので胸の高鳴りの精度は、実は素晴らしかった。
「もしかして、王様ってモテる人ですか?」
サーシャは頭をいまだにぐしゃぐしゃに撫でる王様に素直に問うと、王様は初めて大きな声で笑った。豪快な笑い方が、レオナルドに似ていた。
「女が俺を放っておかない」
「でしょうね!そんな感じしました!」
「でも俺は意外と一途だって最近気づいたところ。恋人がいれば、他は目にも入らない。恋人は、すごく可愛い」
(また恋人……恋人のこと、どこまで好きなの王様)
王様のぶ厚い指先が、サーシャの頬を撫でて顎先をピンと弾いた。その指先一つの動きが妙に色っぽくて、あ、この人女慣れしてる人だとサーシャはついに気づいた。
この男らしいえっちな指先をしておいて、恋人一筋らしい。
(今まさに恋人以外にこの指先で触れてるのに……王様の一途説は怪しい!)
サーシャは王様の一途説を疑いまくっていた。だが、王様レオナルドの勘違い恋人は現在進行形でサーシャである。
王様レオ様的には恋人に色っぽく触ってるだけなので全く問題がない。
(カルラ国はモテ男多いな)
サーシャが知ってるカルラ国のモテ男は全員レオナルドであった。
「俺の悩みを話した。次はサーシャの……」



