サーシャは一人っきりの治療室のベッドの上で大いに叫び散らかした。誰もいないので大いに田舎村育ちの口の悪さをご披露する。


「カッコ良すぎでキス上手くて美味しくて俺様のくせに優しいとかもう何!好きになるしかないでしょズルい!」


死刑を前にした時もそうであったが、サーシャは追い詰められるとキレる。


「恋沼トラップ……ハマっちゃったぁあ!不可避!これ不可避だから!」


恋心を認めて叫ぶと多少スッキリしたが、このまま報われない恋沼にズブズブ落ちていくは愚策過ぎる。


「なんとかしなきゃ!」


治療室を飛び出したサーシャは、ルテに突撃した。藁をもすがる思いで、サーシャはルテにお願いする。


「親衛隊隊長を紹介してください!私もう、親衛隊に入った方がいいかもしれないです!」

「だいぶ追い詰められてるのね」


ルテは快諾したあと、私も別の策を練っておくと心強い言葉をくれた。