団長がもしゃもしゃ紙を食べるサーシャに訊ねると、サーシャは首を振った。


「レオさんとお食事キッスするまでは、無味という味だと思ってましたけど。レオさんの美味しいキスもらってから、これはマズい食べ物だって気づきました」


眉をしかめて紙をもぐもぐするサーシャの頭をルテが無言で撫でる。紙が食べ物の有効範囲に入っているところが不憫過ぎた。

団長もこの子は美味しいもの食べるべきだと天を仰い隻眼を片手で隠してしまった。昨日の飲み会おつまみキッスも許すことにした。レオナルドの魔力だなんて破廉恥な食べ物だが、美味しいものは食べた方がいい。


人情派の団長の目頭が熱くなるが、団長は頭を振って切り替えた。


「サーシャが今食べたのは、カルラ国の伝統料理、カルラスープのレシピだ」

「じゃあ手始めに軽く20食出してくれる?」

「はい!」