最強の攻撃手であるレオナルドは常に最前線で一番危険な場所にいるという矛盾だ。


「俺の盾魔法の中だって十分安全だ。今までルテも傷一つなく守ってる。俺の側に置けばいいだろ」


癒し手のルテも騎士団では絶対優先度の高い保護対象だ。サーシャも同じ。


守りに特化した魔法を使い、手練れでもある団長の側に置くのが定石だ。だがレオナルドは俺様爆発で首を振る。


「それは嫌。団長はルテのこと特別可愛がってるから、サーシャの優先度が下がるに決まってる」

「そんなわけねぇだろ!部下は平等だ!余計なこと言うんじゃねぇよ!」


団長がやや紅潮した顔をしかめて、レオナルドの頭を叩こうとしたがひょいと避けられる。


「サーシャは俺が守るって言ったから、俺が守れる場所に置く」

(((出た、副団長の余すことないサーシャ溺愛)))


食堂でやんやん行われる言い合いを、他の団員たちは聞き耳を立てつつ去って行く。