サーシャは一応人間を主張しているが、実は自信がない。他の人が言うように、異端者であり、化け物だと言われても大差ないかもしれない。 物心ついた時からこうだった。女手一つで育ててくれた母はサーシャの体質をみんなに内緒だよと言っただけだ。多くを語ってはくれなかったが、たくさんレシピを食べさせてくれた優しい人だった。 しばらく二人で黙った後、王様が立ち上がった。 「食事意味ないみたいだから。散歩、行くぞ」 (え、切実に嫌だ)