「あたし、そろそろ戻ります……」 「あ、待て、笹木」 非情にも。 そそくさと立ち去ろうとするあたしをキャプテンが呼び止めた。 「折本さんに部屋を案内してくれ」 「えっ……」 キャプテンはマスターキーを取り出すと、躊躇しているあたしに無理矢理渡す。 「……じゃあ頼むよ、笹木さん」 次郎は、意味ありげにニッと笑った。