「逆に美月は悦んでくれたから、すっげー嬉しかったよ」 「……次郎、あたしは……」 今度は切なそうに笑う次郎。 あたしは、次郎が好き。 そう言いかけたとき、次郎はスッと立ち上がり、自分の荷物に手を伸ばした。 「ごめん、勤務中だったな。フロントに行こうか」 「………うん」 バゲージダウンの依頼でここに来たから……。 あたしは次郎の荷物を持って、一緒にフロントに向かった。