「どうして!?」



あたしは、自分がホテルマンであることをすっかり忘れ……。


突っかかるようにして、次郎に問いただした。


次郎はあたしの手をゆっくりと離すと、少し黙ったあと、口を開いた。




「このホテルを予約したすぐ後だったかな……」




乱れたままのベッドに腰を下ろし、次郎は呟くようにして話し始めた。




「あいつの浮気が分かってさ」


「……浮気……?」