なんだって、あたしに当たってしまったんだろう。 ……だけど。 次郎の荷物って、バゲージダウンするほど多かったっけ? チェックインしたときのことを思い出しながら、あたしは次郎のいる2310号室のドアをノックした。 ――ガチャ…… ゆっくりと開かれたドアの向こう。 出発する準備を整えた次郎があたしを迎える。 「お荷物を……」 お運びいたします。 そう言いかけた瞬間、次郎はあたしの手をぐいと引き寄せ、部屋の中に入れた。