「なんか、すごく嬉しい」 花束を受け取って、あたしの口から悦びの言葉が自然にあふれ出す。 「よかった。喜んでもらえて」 次郎は、そんなあたしを真っ直ぐに見て、にこにこと笑った。 ――明日で、次郎とはさよなら。 またいつか、会える時がくるのかな。 その時あたしと次郎はどんな関係なんだろう。 出会ったときと同じように、 ホテルスタッフと宿泊客っていう関係なのかな。