あたしたちは、ホテルマン。 お客様に悦んで頂くことが、最大の使命。 できるかぎり、お客様に協力するんだ……――。 たとえ相手が、自分の好きな人であっても。 「……彼女、戻ってくるよ。きっと」 何度も溜息をつく次郎を励ますように言う。 あぁ。 今のあたしは、次郎の、今日限りの幼なじみなんかじゃない。 使命感に帯びた、一人のホテルマンだ。