「……お待たせしました」 地下の居酒屋。 料理は高級志向だけれど、雰囲気はその辺の普通の居酒屋と対して変わらない。 賑やかな店内。 彼は一番奥のテーブル席に座っていた。 「とりあえず、生ビール?」 そう聞いてきた彼は、スタッフを呼び、生ビールを二杯注文する。 運ばれてきた生ビールで、乾杯。 いったい、何に乾杯なんだろ。 思ったけれど、あたしは口にはせず言葉を呑み込んだ。