忘れるわけがない。 あんな派手な別れ方をしたんだから。 彼のチェックインを受けたのは、市来くん、この人なんだから。 ――あぁ、もう、バレた。 「どうも、チェックインの時はお騒がせしました」 絶望的になっているあたしに助け舟を出したのは、彼だった。 「実は俺、笹木さんの幼なじみなんです」 ――はいいいいっ!?