イタリアン! って言いたいところだけど、あの堅苦しい雰囲気って、どうも苦手だな。 「個人的には、居酒屋ですね」 「だよねー? やっぱり居酒屋だよなぁ。イタリアンって堅苦しいからねー」 「……あの……」 フロントで貰った夕食券を、ペラペラと仰がせながら呑気に言う彼。 「――……折本さま。差し出がましいようですが……」 あたしは、彼の怒りを買う覚悟で話し始めた。