「……笹木さん、だっけ?」 「………え?」 突然名前を呼ばれて、ドキッとする。 彼は、あたしの左の胸元につけられているプレートを指さして、確認するかのような目であたしを見ていた。 「はい、笹木です」 「……笹木さんなら、イタリアンと居酒屋、どっちがいい?」 「えっ……。どっちって……」 そんな質問を投げかけられて、真剣に考え始めるあたし。