これからは体格差も顕著になっていくことだろう。
そうしてふたりを乗せたバンは無事にコテージに到着した。
コテージが立ち並ぶ一角への入り口はアーチ状の門になっていて、その右手に大きな建物が見えた。


「あれが管理室。僕が駐在しているから、なにかあったら連絡してくれればいいから」


管理室の向かいには売店があり、昼間だというのに明々と明かりが灯されている。
中には数人のお客さんがいるみたいだ。


「君たちが今日泊まる部屋はここの一番奥なんだ」


車はどんどん山の奥へと進んでいく。
道は舗装されていて、左右には同じ大きな、同じデザインのコテージが並んでいるから、寂しさはない。


「え、ここですか?」


停車した場所にあるコテージに視線を向けて亜希が思わず呟いた。
そこは施設内で最奥になり、広い庭がついていた。

夏に来ればこの庭でバーベキューでもできそうだ。
更に庭の隅には小さな小屋が建っている。


「あの小屋はなんですか?」


和也が訊ねると「あれは物置だよ」と、教えてくれた。
家庭で見かける長方形の無骨なものではなく、小さなウッドハウスみたいな見た目をしている。